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レトリックのダシで味付けた品

こぼれるような言葉の宝石を

陽ざしが針のように眩しくサフラン色に降り注ぐ

不死の青空にみずみずしいアンソロジーを添えて

わたしはまた新しく歌い始めるだろう

ああ 裸の言葉が分娩台から滑り落ちるとき

全ての胸の鳩が飛び立つ

彼方

 

夜を罵り続けてたどりついた朝陽の向こうでしゃがんで、鳩の死骸の叫びをあげたくても私には喉がない。ギターを大事そうに抱えた誰かの歌で思い出して必死に引き出しを探すけれど、死んでいる。ずたずたに引き裂かれたボロ布になって泣いて、このままハムスターが弱っていくみたいに眠りたい。そうすればきっとあの日の温かさにも帰ってゆける、そう信じて。立派な言葉にだまされて辞書のような顔をしているあいだに若葉のいい匂いのする季節は過ぎてしまった。黄昏時の寂しさに振り返って太陽を責めてもその失望に誰も答えてはくれない、一人舞台。それでも崖に身を投げる勇気がないのなら走り出すしかないと、重たいものを全部降ろして青空に走り高跳びを挑むみたいに飛べるか飛べないかは別にしたまま。なす術もない夏の夕日の前で手はぶらぶらと垂れるけど、また手は望む。でもダイヤモンドはずいぶん遠ざかってしまった。あの日、不意に駆け出したいつかの夏の白い雲へ。背泳ぎしていく水泳選手のように、真っ直ぐだけに気をつけながら。宝石がどうしても彼方で揺れるから。

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